「「いらっしゃいませー!」」

「……王子の園?」


イケメンばっかりじゃない!!!


「しっかし忍が女ひとり連れてくるとはなー。俺の彼女の話も聞きたいだろ?」

「まあ聞いてもいいけど、その変わり奢るべきじゃね?」

「タダ飯食う気かよ!!! お前ほんっと可愛くねえ!」


ギャーギャーうるさいギャル男を無視するように、忍はイケメンたちに釘付けのあたしを呼んだ。


「この人、バスケ部の元部長。苺の3個上で、バ…隼人先輩」

「ふぅん? バカ2号の人よね?」

「ちょ、忍お前まだ俺のことバカ2号って登録してんのかよ!!!」

「米食いてー」

「ねぇよ!!」

「「「きゃーーー!!!!」」」


隼人先輩が叫んだと同時に、店内が黄色い声一色に染まった。


「隼人ぉ。何サボってるの~?」


ニコニコしながら近寄ってきたのは、黄色い声の原因であろう男の人。


開いた口が塞がらないって言うのは、こういうことを言うのね……なんっなのこのイケメンは!!


「ちぃ! もうホール出て大丈……ぎゃはははは! まだうっすら赤イタタタタタ!」


隼人先輩は爆笑したかと思えば、ちぃと呼ばれる人が隣に並んだ瞬間顔を歪ませる。


え、どうしたのこの人。気持ち悪いわ。


「……すげーイケメン。昴と同じくらいじゃね?」


忍が言うと、ちぃと呼ばれる人は切れ長の瞳をあたし達に向けた。