「うおー!!! 忍っ!! 久しぶりじゃーんっ!!」


な……何この金髪ロン毛…!!


忍にべったりくっ付いてたどり着いた先は、駅裏にひっそりとたたずむパスタ専門店だった。


店の前でキョロキョロと落ち着きなく立っていた金髪ロン毛は忍を見るなり大声を出すから、驚いたなんてものじゃない。


白いワイシャツに腰から足首近くまである黒いサロン。まくった袖から見える腕は筋肉質で、肌は色黒く、大きな口を開けると見える白い歯。


こんなギャル男が忍の知り合いだなんて、無理。


「久しぶりって、卒業してからまだ2ヶ月も経ってなくね?」

「お前相変わらず敬語使えねえのな……可愛くねぇ!!!」

忍は可愛いんじゃなくてカッコいいのよ!


睨むようにギャル男を観察していると、目が合ってしまった。


「忍彼女出来たのかよ!」


彼女!?


「どう見ても彼女じゃなくね?」


ああ……そうよねそうよね知ってたけど分かってたけど、即答しすぎじゃない?


「お前彼女作る気あんのか!? 彼女! 俺の彼女は世界一だけどな!」

「相変わらず彼女バカっすね」


ドーンって漫画みたいな効果文字が見えるわ忍。バカ2号のバカは、彼女バカのバカだったのね。


「とりあえず入れよ」


カラン…と鈴の音をさせてドアを開けたギャル男と忍に続きながら店内を見渡す。