「好き!!」

「ぐぇっ!」


忍に飛び付くと、また変な音がしたけど気にしない。


「頭蓋骨割る気か……」

「好き好き好き好き!」

「犬かお前は」


頭上から溜め息が聞こえても、忍はあたしを押し返さない。


照れてたのね? さっきは照れてたのね? そうなのね忍!


「照れ屋さんっ」

「殺人犯さん」


シンデレラよ!…って起き上がろうとしたけど、離れたくないから言わないわ。


多分今日で3回は頭ぶつけたわよね? ゴメンね忍。全ては愛ゆえなの。溢れんばかりの愛よ、愛。


「……仕事する気失せた」


ポツリと呟いた忍の一言にあたしが飛び起きたのは言うまでもなく。


「好きなタイプは!?」


仕事しないなら、お喋りするべきよ!


「召使いはタイプじゃねぇ」


床に寝っ転がったまま頭の後ろで手を組む忍。あたしは忍の上に乗ったまま、大好きな彼を見下ろす。