「ここがふたりの愛の巣なのね」


放課後、生徒会室に隣接される会長室にあたしはいた。


もちろん隣には、会長のみ座ることが許された革張りの黒椅子にドンと座る、忍。


「おいチビ」

「なあに忍っ!」


きゃー!!!! 緑のオシャレ眼鏡がよく似合うわ! そのレンズの奥から垣間見える上目使いも堪らないわ!


ああ、忍の眼鏡になりたい。


「聞いてねぇだろ」

「え? なあに忍」


あたしの耳は忍の声を一言一句洩らさない為についてるのよ?


「邪魔すんなって言っただろ」


邪魔!? あたしがいつ邪魔したのよ!


「忍の隣に立ってるだけのどこが邪魔なのよ!」

「存在じゃね?」

「やだ忍ったら」


冗談キツいわ。