「忍はやっぱり王子様なのね」


賑わう学食の片隅でポッと頬を染めるあたしの隣で、湊磨くんがボソッと呟く。


「やっぱラーメン食いたいってトレードされただけじゃ…ゴバボボッ!」


アンタは水だけ飲んでればいいって言ってんでしょう!?


水の入ったコップを無理やり湊磨くんに押し付けていると、大聖先輩が笑う。


「湊磨、一言余計だよ」

「ゴバッ! ……殺す気か!!!!」

「そういえば忍って生徒会長なんでしょ? 大変?」

「聞いてんのか苺ぉぉお!」


隣のうるさいのは無視して、あたしは目の前に座る忍を見つめる。


「別に。好きでやってんだし」


ああ…そんなサラッと言ってのける忍は今何万キラキラ? 3億キラキラぐらい?


「忍もよくやるよなぁ。バスケに生徒会だろー? 俺だったら無理っ!」


湊磨くんみたいな凡人と忍を一緒にしないでほしい、って、バスケ?


「忍バスケ部なの!?」

「ズルズルーッ」


ああ麺をすする姿も素敵……。