「おい湊磨。笑ってねぇで助けるべきじゃね?」
「くく! まぁいーじゃん。カワイー後輩じゃん」
「どけチビ。俺は腹減ってんだよ」
「いやーっ!」
膝の上からあたしを降ろそうとする忍に、全力で抵抗。
降りたくない離れたくない! せっかく会えたんだからもう少しこのままでいいじゃないっ。
「いやってなくね? 俺一生このままとかなくね?」
「24時間で我慢してあげる」
「ドアホッ!」
ゴツン!と、額に見事な愛のチョップ。痛くないわよ。だって愛だもの、愛。
「いーやーだーっ!」
「俺のセリフだっ……て離れろ!」
両肩を押して降ろさせようとする忍の首に掴まって、意地でも離れないあたし。
やだ! やだやだ!
「離れろチービィィイ」
「チビじゃない苺ぉぉお」
ぐぐぐぐ…と押されても、忍の首の後ろで握った拳は絶対にといてやらない。
「……なにしてんの、忍」
「あ! 大聖先輩」
「見りゃ分かんだろっ」
「ラブラブなの!」
「アホか!」
二度目の愛のチョップをくらったところで、あたしは大聖先輩と湊磨くんに忍から引っ剥がされてしまった。