「忍はもうやめだって言ったけど、あたしはやめない。あたしの気持ちを、勝手に終わらせないで」


体の横で拳を握って、震える唇をなんとか開く。


「頑張って、ダメで。また頑張って、それでもダメで。何回頑張ってもダメって言われたって、嫌いになんてなれない」


好きって、そういうことでしょう? 忍だって、そうでしょう?


透ちゃんに彼氏がいても、ずっと好きなんでしょう?


「お前にはのんがいるだろ」

「どれだけヒドイこと言われたって諦めないわよ!」


大声を出したあたしを、忍は複雑な表情で見てくる。


我慢してたのに、どうしたって涙が浮かぶ。好きの想いが溢れて、止まらなくなる。


「意味わかんね……」


ヒドイ人。本当に、ヒドイ。でも、それでも、あたしはちゃんと言ったわ。


「好きなんだもの……」


忍が透ちゃんを好きだと知っても、あたしは変わらず忍が好きだもの。


「俺言ったよな? 好きじゃねぇって」

「だから何よ」


2度も言わないでよ。これでも傷つくのよ。


「お前がどうしようと勝手だけど、俺に関わるのはやめろ」

「矛盾してるじゃない!」

「関わりたくねぇから言ってんだよ!」


何それ! どこまでヒドイの自分勝手すぎる! いやあたしもだけど!