「ふーんじゃなくて! 何かアドバイスしてくれてもいいじゃない!」

「したじゃん。押して押して押しまくれって」

「だから……っ」


押そうと、思ったわよ。でも拒否されて、のんに告白されて。


「どうすればいいのか、分からないのよ……」

「本人に分かんねぇことが他人の俺に分かるかボケ」


ねぇその髪切っていい? その整い過ぎてる顔歪ませていい? ごもっとな意見だとは思うけど!


「つか俺には幼馴染みとかいねぇから分かんねーけど、そんな大事なもんか」

「……大事よ。あたしはずっと、のんとしかいなかったんだもの」

「ああ、電波だから友達いねぇんだろ。ウケる」


一言余計なのよ! ムカつく! そのニヤニヤした顔が余計ムカつく!


「あなた本性晒したらモテないわね、絶対」

「何それひがみ?」


ホントにムカつく!!


「つーか要するに、忍にアタックしたいけど、のんを傷つけるのが嫌ってことだろ。のんを失うかもしれないんだったら、忍にアタック出来ないってことだろ? ……っは、くだんねー」

「……ちぃ君恋したことないでしょ」


そう言うと、ちぃ君は「さぁ、ないかもな」と口の端を上げた。


その答えに溜め息が出て、疲れが押し寄せる。ボスッと枕に顔を埋めると、ちぃ君の声が保健室に響いた。


「てか、めんどくせー。あーだこーだ考える前に、お前はどうしたいんだよ」


……どうしたい? そんなの、決まってる。