「教育実習生……? へぇ……大変ね」
「完全に他人事だろお前」
だって納得したんだもの。教育実習生ならいてもおかしくないものね。
「で? 苺は何してんの、そんな具合悪そうな顔して」
棚にあったマグカップを勝手に使い珈琲を飲んでいるちぃ君に、逆に何してるのと言いたい……のは我慢して、自分の両頬を手で包んだ。
「そんなに顔色悪いかしら」
「寝不足と、食欲不振ってとこか」
やだ、何で分かるの。メイクで誤魔化せたと思ってたんだけど……。
「お昼しか食べてないだけよ」
「はぁ? いつからだよ」
「……1週間前?」
「つかこの珈琲マズッ」
聞いといて何なの! 何その今更ビックリした顔っ。逆にビックリよ!
「俺の店のが1番うめぇな」とか言いながらマグカップを置くちぃ君を見ていると、目が合った。なぜか物凄く意地悪い笑みを携えて。
「その後どうよ、忍とは」
「…………」
押すことすら、許されなかったわ。
「ふーん」
ここ1週間何があったかを話し終えて、第一声がまさかのそれ? なあにその退屈そうな顔!