のんに告白されたことで、あたしはのんから離れなければいけないと思った。必然的に燈磨とも。


だって、好きだなんて言われて拒めない。でも答えることも出来ない。


だから考えなきゃいけないと思った。忍のことだけじゃなくて、のんのことも。


あたしは何かに悩んだら絶対と言っていいほど、のんと燈磨に相談しては助けられてきた。


でも、今回は出来ないんだ。のんに好きと言われてるのに、本人に相談なんておかしい。


……忍のことだって相談出来ない。


考えなくたって、燈磨はのんを応援してるんだから。


あたしが少しでも弱気になってしまったら、きっと攻めてくる。そういうふたりだって知ってる。


優しくて、厳しくて、そんなふたりだから一緒にいて苦じゃなかった。


だから今回は頼らずにちゃんとひとりで、考えなくちゃいけない。これが誠意と言えるものなのかは、分からないけれど。



「つか苺、俺ら以外友達いねぇもんな」

「あんた達に言われたくないわよ!」


泣きながら怒るあたしに、のんと燈磨は笑っていた。いつものように、今までのように、変わらず。


寂しがり屋のシンデレラのお友達。召使いからリスくらいには、昇格してあげてもいいわよ。


ああ、のんには別のポジションを考えなきゃいけないんだけど……それはまたちゃんと、考えるわ。


今はとにかく、笑っていよう。


引き裂かれた胸の痛みを、何とか我慢したまま。