「「ぶっ……!」」
「……は?」
冷や汗まで出たというのに、のんと燈磨は笑いだした。
ひとり置いてけぼり状態のあたしに構わず、ふたりは笑い続ける。
「ごめんって! 初めて聞いたわ!」
「別にいいのに、ごめんて!」
あはははははHAHAHA…って、うるさい!!
「何なのよ!!」
何が可笑しいのよ。何も可笑しくないじゃない!
真っ赤になって怒るあたしに、のんと燈磨はやっと笑いが収まったみたいで。
「だから、普通にしてろって言ってんだろ」
「はは、もう……腹痛い」
意味が分からない。全然分からない。分かるように説明しなさいよ!
そんなあたしに気付いたのか、のんが涙を拭ってからあたしの顔を覗いた。
「俺らは変わらないよ、苺。今まで通り3人でいるし、遊ぶし、笑ってられる」
「……」
どうして、分かるのかしらこの男は。あたしにとって、幼馴染みほど怖いものはないかもしれない。
「俺の勝手で、苺に寂しい思いはさせれないでしょ?」
「勝手なんかじゃない……っ」
何よりもあたしを先に考えてくれる人が、勝手なわけないじゃない。
「最近苺、泣きすぎじゃねぇ?」
流れた涙のわけを、意地悪く笑う燈磨まで分かってるのかと思うと悔しい。