「ホンマやん! のんとよう一緒におる子やんな? 昴、この子やで。透が騒いどった子!」

「イチゴ!?」

「え、あ、はあ……小森 苺です」

「わー! アイタカタ!」


な、何がなんだか分からない……。


ポカンとしているにも関わらず王子はニコニコと笑いながらあたしの手を取って、上下に振りまくった。その横で笑う、翔太先輩とキョウ先輩。


なんていうか、高校生になってから色んな人と知り合ってる気がする、というより……透ちゃんどんだけ人脈広いんですか!


「そか、キミがイチゴなんだぁ」

「あれやろ? 生徒会長に猛アタックしとる子」

「あはは! 凄い勇者だよね!」


そしてなぜかあたしの好きな人までバレてる不思議。


いや、別にいいんだけど。昴先輩は透ちゃんの彼氏で、翔太先輩は奈々先輩の彼氏で、常に一緒にいるキョウ先輩も知ってたって、何もおかしくはない。


むしろ、協力して欲しいのが本音だったりするのよね。


「何か忍について知ってることがあったら教えて下さい」


キリっと真面目な顔をすると、3人ともキョトンとしてから、口ぐちに話し出す。


「せやなぁ……おもろい会長やんな? あの独裁っぷり、なかなか出来ひんで」

「忍くんみたいなタイプは、出世しそうだよね」

「カイチョー、コワい」


うん、役立たずなのはよく分かったわ。もっと他にないの?


そんな気持ちに気付いたのか、キョウ先輩が「そうだなぁ」と言いながら校庭を見つめて、すぐに盗み見るようにあたしを見た。