引く! そうだったわ! 押してダメなら引くのが定番っぽいわよね!


毎日引っ付いてたあたしが急に現れなくなったら、忍もきっと寂しく思って……。


『苺がいなくなって、気付いたんだ』

『何に……?』

『俺には、苺が必要だって』

『嘘……』

『もう、離れんなよ……』



「っきゃーーーーー!!」


ある! あると思うわ!


「俺そんなキャラじゃなくね?」


コレ採用でしょう! 即行動に移すべきね!


「引くって、普通相手に知られないようにやるべきじゃね? 俺がっつり聞いてますけど」


シンデレラ、シンデレラ! あたし頑張る!


「なぁ、送らなくていい?」

「え!? 何でよ!」



小森 苺 15歳。

そろそろ振り向いてくれてもいいんじゃないって感じの王子様に、押しから引き作戦に移ります。


目指すは忍の心髄に潜む愛の解放。


いやいや。あるでしょ。


あたしへの隠れた想い、あるに決まってるじゃない!