「ああ、瑠雨がめずらしく誘いにのったから浮かれてたんじゃね?」
「いやそれがさ、瑠雨がちぃのこと殴りに来ただけなんだよ!」
「ああ」
ちょっと待って忍。
めずらしく誘いにのった? 瑠雨を誘ったことがあるの!?
ああって何、ああって! ちぃ君が殴られたことなんてやっぱりね!って感じだけど、何なの、そうなること知ってました的な感じ!
忍ってそんなに瑠雨と親しいの!?
「何むつけてんだ苺」
隼人先輩と別れて、せっかくの忍との帰り道だというのに、あたしはむつけている。
そりゃもう嫉妬、嫉妬、嫉妬の嵐なわけで。
「……忍のバカ」
「はん?」
怖い! そんなあからさまにイラッとしなくてもいいじゃない!
あたしは顔を背けて、少し意地になってる自分に悲しくなる。
瑠雨が問題児だから、クラスメートとして、生徒会長として構ってるって分かっているけど。分かってるけど、嫌なものは嫌じゃない。
あたしは、そういう女なんだもの。嫉妬して、何が悪いの。好きなんだから、しょうがないじゃない。
忍は、あたしが忍を好きだって知ってるんだから、少しくらい気付いてくれたっていいじゃない。あたし、わがまま?
「あ、俺スケボー学校に忘れてね?」
興味無し!! しかも今更!!
「……はぁ」
少しくらい、どうしたの?とか聞いてくれてもいいと思うわ。あたし今凄いびっくりしたわよ忍。