「忍ゲイなの!?」

「はん!?」


一方的に隼人先輩へ精神的ダメージを食らわせていた忍が勢い良く振り向く。


「ゲイだなんて聞いてない!」

「いやいやいや、は? 何がどうなってそうなんの? おかしくね? 苺頭やばくね?」

「だって・・・!」

「俺は女しか好きにならねぇよ」


あ、そうなの? 何だ、良かっ……。


「嘘だと言ってぇぇぇえ!!」

「「黙れこの変態がぁぁぁあ!!」」


やっぱりゲイだった店長に突っ込む隼人先輩とちぃ君。


もう慣れたけど、この店の人は神出鬼没過ぎない?



「ごちそうさまでした」


少しも食べてないけど一応ね、一応。


個室から店の外まで見送ってくれた隼人先輩に一言告げると、忍も同じように言った。


「また来いよ。大聖にも会いてーし」

「はぁ、自分で会いに来れば良くね?」

「もういい……。俺はいつも呼ぶ奴を間違えてんな」

「帰っていいすか?」


自由ね、忍。素敵だけど、隼人先輩白目剥いちゃってちょっと可哀相よ?


「マジうぜぇ! 今日透も来たんだけど、アイツもダメ! お前ら先輩を敬うってことを知れ!」


へぇ、透ちゃんも来たのね。


のんきにそんなことを思っていると、忍から耳を疑う一言。