由香里さんはあたしの方をちらっと見た。 『由香里さん、ライには愛しの女の子がいるんだから』 あたしはライの肩をポンとたたき、無理に明るく言った。 「そうなの?じゃあ、2人は…」 「由香里さん…」 『由香里さん、もう小さい頃の話だよ。いつまでも覚えてる訳じゃないしね』 あたしは由香里さんとライの言葉をかき消すように言った。