そっとドアを開けると吹奏楽部がいる方向とか逆に歩き出す。

今日は天気が良い。


未来の足は自然と中庭へ向かっていた。

真夏にも関わらず中庭の日陰は未来に涼しさと癒しを与えてくれる。

小さなベンチは今日もいつもの場所にあった。
そこに行くと迷わず座って空を眺める。

大きな木の丁度陰になるこのベンチは、こんなに暑い中でもどこか気持ちの良い冷たさを残していて嬉しい。

心地よいひんやり、とした感覚が触れた指先から伝わって来て未来は少し微笑んだ。