最近、前に増して奈津と桜の関係が気になっていた。



恋人、とまではいかないようだが、二人が一緒にいるのはよく見かける。



いくら奈津が何でもないと言っていても、不安になってしまう。



そして、告白の返事がまだもらえていない、ということがそれをさらに大きくする。




――なっちゃん…

桜ちゃんが好きなのかな………




そんなことを考えて首をぶんぶんと横に振る。



違うよ、うん、仲のいいお友達、そうだよ、お友達だよ、と亜紀はひとりごとを連発した。



そんな風に言い聞かせないと、自分の中で何かが崩れそうだった。




「………桜ちゃんには負けないもん」




つい、そんなことを言ってしまいハッとした。



その拍子に生クリームをぬっていたというのに、ケーキにへらを突き刺してしまった。