でも、だからって私、佳子ちゃんを悪く言う気持ちにはなれないのよ。
女が子供を抱えて生きていくって、簡単なことじゃないもの。

私も、若くして連れ合いに先立たれたときには、どうしようかと思ったわ。
幸い、この家とあのアパートを残してくれたから、娘と二人でなんとか生活できたけれど。


だからね、佳子ちゃんがあんな風に荒れちゃって、いろいろいう人は大勢あったけど、
私はどうしても、あなた方に向かって『出て行って頂戴』とは言えなかったの。