駅前のカラオケ店に到着すると
美也サマが全部手続きをしてくれていた。

個室に6人も入ると結構ギュウギュウ。

私は初めてのカラオケにドキドキしていた。


「深紅ってカラオケ来るの、初めて?」
麻由がそう訊くので


「うん。こんな風なんだ~」って
正直に答えた。


アメリカにだってKARAOKEはあるけれど…
お店には行った事がナイ。
近所に住んでた日本人の家にカラオケがあって、よく大人が集まってたけど…
私は日本の歌とか知らないし。
いつもその家の子供と遊んでて、親が楽しんでたって感じ。


「英語の曲もあるよ」って
佑介くんが教えてくれたけど
歌唱力に自信がないからおとなしくしてた。


!!

そういえば…
私、まだ誰とも携帯のアドレスを交換してないんだった!

勇気を出して声にしてみる。

「ねぇ、麻由~。
携帯のアドレス、教えて貰ってもいい?」

「もちろんいいよ――――♪
じゃ、赤外線で交換しよ?」


わぁい!拒否られなかった!!


「じゃ、深紅ちゃん、俺とも交換して?」

「うん!」

そうやって、みんなとメアド交換してたら…

♪ ~ ♯ ~ ♭ ~ ♪

誰かの電話が鳴った。


「あ…俺だ。 ゴメン、ちょっと失礼」

慌ててミッくんが部屋から出て行こうとする。


「麗子ちゃん?」

「ああ」




麗子ちゃんって…?

一体 誰?