「そっか…キミと充琉は幼なじみなんだね?」(美也の声)


あれから少したって
泣きやんだ深紅は
俺との事を話し出した。


俺も記憶を辿ってみる。


あれは今から10年前…
俺と深紅が幼稚園の年長の頃の話。



当時、俺と深紅は同じクラスだった。
忘れもしないぜ。
どんぐり幼稚園の…
ヒヤシンス組…。


出席順に並ばされた俺と深紅。
俺の苗字が「真野」
深紅の苗字は「森本」
隣り同士の俺たちはいつも一緒だった。


あの頃の俺は背が低くて、か弱くて
いつもクラスの男どもに泣かされてたな…。

そんな時に
「充琉くんをいじめちゃダメ――――!!」と庇ってくれたのが深紅だった。

当時の俺にとって、深紅はヒーローだったんだ!!
(フツー、女の子にヒーローとは言いませんが…)



うわっ…俺、今めちゃくちゃ遠い目してねぇ?