成哉は目を見開いていた。


私は照れ隠しに笑った。


しばらくの沈黙のあと、気を取り直したように成哉は祝福してくれた。


「……おめでとう」


「ありがと」


私は笑顔でその言葉を受け入れた。


「あの、営業やってるっていう人と?」


島村のことはそれまでに成哉にも話してあった。


私は頷いた。


「そっか」


成哉は自分のロックグラスを持ち上げ、でも飲まずに、指で氷をかき混ぜた。


澄んだ音を立てて、氷はグラスの中で回った。