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私はその日、結婚の報告をするつもりで、成哉を新宿に呼び出した。


1軒目で食事して、2軒目のバーへ。


薄暗いオレンジ色の明かりのともる広いバーは、成哉とも何度か来ていた店だった。


コの字型のカウンター席の端に並んで座り、お互いの飲み物が届いたところで、私は口を開いた。


「今日はね、実はちょっと報告があるんだ」


成哉は左に座る私の方に顔を向け、目を合わせた。


その目を見たあと、視線をグラスに向けて私は言った。


「あのね、私、来月結婚することになったの」


言ってから、そっと成哉の顔を窺った。