「ううん迷ってたのとは違う。
ただ、結婚に関しては、私と島村とお互いの家族のことだから、成哉には関係ないでしょ。
それに、結婚って私にとっても初めてのことだったから、ギリギリまでどうなるかわからなかったし。
ちゃんと、本当に式が挙げられるっていうのが決まるまでは、って思ってただけ。
成哉は招待するつもりもなかったしね。
だから3月になったってだけ」


しかし、そう言っても千佳ちゃんはまだ疑い深い目で私を見ていた。


「ふうん。
で、香菜さんが結婚の報告したときの成哉君の様子はどんなだったんです?」


「うん……」


私は今でも鮮明に覚えているその日のことを話した。