「香菜さん、私思うんですけど」


「なに?」


千佳ちゃんは持っていた缶をテーブルに置いた。


「やっぱり、成哉君と香菜さん、両思いだったんじゃないですか?」


「…………」


「成哉君、そのとき、元カノより香菜さんと付き合いたかったんじゃないかなあ?」


私は千佳ちゃんの顔から視線をそらせた。


それは、私自身も何度も考えたことだった。


でも……