その夜、それからは成哉の独壇場だった。


いつも以上に面白おかしい話で私を笑わせ、楽しくて時間を忘れた。


気付いたときには、最終電車を逃してしまっていた。


一緒に店を出て、駅の方へ歩きながら、私はまた心臓を高鳴らせていた。


成哉、どうするつもりだろう。


電車はもうない。


選択肢はいくつかある。


1.朝まで飲み続け、始発で帰る


2.タクシーで帰る


3.ホテルに泊まる――――


夜風に首をすくめながら、黙って歩く成哉に、私も黙ってついていった。