客の部屋から少し離れた所だったためか、人が居なかった。


どこに行けばいいの―?


立ち止まっていると廊下の向こうから3人程の足音が聞こえてきた。


花音は音のする方に目を向けると、
希沙羅と初めて見る二人の女の子が、こちらに向かって小走りでやってきた。



遠目でもわかる――



三人とも美人だった。



希沙羅の少し後ろから見える小さな女の子。
歳は、花音より少し下に見える。
幼い顔だが、この時代には珍しい肩で揃えられた髪はふわふわしていて、

なんとも可愛らしかった。


そして、もう一人
可愛らしい女の子の横に居る人―
切れ長の鋭い瞳、
瞳に掛かる程の長い前髪
後ろに緩くしばった漆黒の艶のいい髪。

どこか冷たい印象を受けた。