さっきのとは違う若い男の声がした―

その声につむった目をゆっくりと開けると首にあてがわれていた刀がすんでの所で止まっていた。

声がした方を向くと、きちんと髷を結い綺麗な身なりの刀を持った男と
背が高く、黒い肩までの髪を結わずにながして、黒い着流しを身にまとった男がいた。


多分。
髷の方が私に刀を振るった人で着流しのお兄さんは助けてくれた人。
髷の人の腕をつかんでいた

「そいつぁ俺の連れなんだよ、刀降ろしちゃくれねぇか?」

「お前は“夜“か…」

「よぉく覚えてて下さった!なら…俺の噂も聞いてるよなぁ?」

黒い笑みを浮かべる“夜”と呼ばれた男。

「…チッ」

舌打ちをすると髷の人は刀を鞘に納めた…


(助かったッ…)

安堵からまた涙が出た





髷の人は去っていった。



「大丈夫か…?ってなわけないよな怖かったろ?」

そう言うと座り込み涙を流している私の目線にあわせしゃがんだ。