暗い部屋には荒い息だけがたえずひびいている。
『ち…な…』
骨ばってごつごつした手が震えながらあたしの頬を優しく包み込む。
『ちょっと待って…』
あたしはジュンの燃えるように熱い手をそっとつかんだ。
ジュンの熱で火照ったあたしの顔を猫みたいにきりっとした目がじっと見つめている。
『早く…服着ないと。』
上半身裸のジュンに小さく言うと,あたしは見つめられるのがたまらなくなって思わずそっぽを向いた。
『ちな…俺と一緒にいてくれないか…』
ふわっと森の木みたいなジュンの香りがしたと同時に,あたしの体ははジュンの熱い胸へと押しつけられた。
『…一緒にいるから。』