その子は不思議そうな顔をして俺を見た。 「ごめんね?大丈夫?痛かったでしょ?」 「あ、仁君…」 「あっ、確か…隣りのクラスの…」 俺とぶつかったのは見覚えのある子だった。 「あ…あたし、椎名桃葉…」 椎名はそう言うとニッコリ笑った。