心配してくれるのは嬉しいけど、望んでもいない特別扱いをする奏次にイライラが募る。


「大丈夫。ていうか代表が特別扱いしてちゃ駄目でしょ」

「お前は俺の妹みたいなもんだからそうするのは当たり前」



そんなこと言って、それが他の子に知れたら怒りの矛先は私に向くんだよ。



「面倒なことになるのは嫌なの」


分かってる?と付け足して。


「分かってる、だから皆の前では普通だろ?」



女の嫉妬の対象になるのは言うまでもなく女の私。


「…明日は休みにしといたから、ゆっくり体休ませとけよ」


無造作にセットされた肩まである白に近いブロンドの髪をかき上げ、端整な顔を優しいものに変えて。

そんな事を言う奏次は本当に分かっているんだろうか。


「イライラすんなって」

「してません」

「そうか」


笑った時に出来る目じりの皺が、何だか腹立たしい。


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