「呼んでも、奏次は部屋に来ませんよ」


何てことなく微笑んで言ったつもりだけれど。
どうだろう、眉毛少し下がっちゃったかも。


「そ、そんなんじゃないって!私はただ単に…」

「ぷっ冗談ですよ」

「もぉ~大人をからかわないの!」

「は―い。じゃあ希さんの休みの日にお願いします」



何かブツブツ言っている希さんに一言言って、お店を出ようとすると「莉乃ちゃん!」と後ろから声が掛かった。


振り向けば、苦笑している希さんの顔。
何を言うのか分かってしまった私も、つられて苦笑してしまう。


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