その作業をきょとんとした顔で見詰める私。



「何々?私変なこと言った?」



そんな私の視線に気付き、長い睫毛に縁取られたその大きな目を2、3回パチクリさせ、同じようにきょとんとする希さん。



「なら自分の髪で遊べばいいじゃないですか」



希さんこそ、私なんて到底及ばないくらい、ずっと綺麗な顔をしている。



「え―それ褒めてんの?もっと言ってぇ」

「いっ」



勢いよく肩を叩かれた。

さすが元キャバ嬢と言うか、何と言うか。
そう言う話をかわすのがお上手。



「うふ―莉乃ちゃんに言われると、何か嬉しいなぁ」



希さんとの会話は、いつも癒される。
こんな風に無邪気に笑う顔を見ると、28歳と言う年齢を忘れてしまいそう。


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