肌は白と決めている。
というか、3ヶ月前にそう決めた。



「すみませんね」

「とりあえず、手袋は取れよ」

「…手袋じゃなくてグローブ」

「あらそう」



9月と言っても照りつける日差しは夏と変わらないくらい強く――少し歩いただけでも焼けしてしまいそうで。

まあ、何も気にしてない奏次がそんなに白いなら、ここまでする意味はあまりないのかもしれないけれど。



「じゃあ予約の時間あるから」

「ん、引き止めて悪かったな」

「ちょっと?……もお」



ポンと肩を軽く叩いたかと思えば私の両手から器用にグローブを脱がし、エレベーターへと歩いていった。


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