「…ッ」


持ち上げて咲姫の部屋まで運ぶ

…まじで軽い…

やばい…緊張してるし…

落としそう…

触れている手から熱が伝わる…

なんでこんな熱あんのに

…馬鹿か俺は




「…」




運び終わってなにもなかったし

なにか買いに行こうと立ち上がる




「…翼さんッ」



さっき遠くで聞こえていた声が

今、目の前で聞こえる



「…」



寝言で俺の名前呼ぶわけ?



「…咲姫…」



そっと手をかさねた

とにかく俺の名前を呼ぶならば

俺も呼んでやるよ…




咲姫…大丈夫だ…

俺がいる…