「…他の男に触らせて
俺が怒ってないとでも思ってンの?」
翼のあたしの手をにぎる手がまた強くなるのがわかった
「…ごめん…ッ」
本当にごめんね?
翼に心配かけるつもりなんてなかったよ
あたしは…ただ…
翼と一緒にいたいだけだよ…ッッ
「…翼ッごめんねッ」
もう、半分涙声になっていた
「…なに泣いンの」
翼の大きな手があたしの手から離れ
頬をつたう涙を拭いた
「…ごめんッ…あたし…」
「…もういいから」
言い方は冷たかったけれど
翼が優しく笑った
そしてまたあたしの手と絡み、歩き出した
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