「・・・・」
「・・・・」
「あ、あの、その」
「す、すいませんでしたあっ!!!」
あちゃー。
急に誰か入って来たと思ったら、下の面子だった。
あたしと春を見た途端、
謝って走り去って行った。
「ちょっと春、誤解されちゃうじゃん」
あたしは呆れて春に言った。
春はさっきよりあたしにがっしりくっついてはいないものの、あたしの肩に腕を乗っけてあたしと春の顔が向き合ってる状態になっている。
春・・・顔近い。
「クスッ、いいじゃん。誤解されちゃおうよ」
はあ?!何いってんだよ、こいつ・・・
「春、面白がらないでよ」
春とできてる話なんてまっぴらゴメンだ。
「だーって、俺真琴の事好きだし」
春は楽しそうに言う。
冗談をよくもこう抜けぬけと言えるもんだ。
「はいはい、ありがとねー。」
「うあ、スルー?」
「そうやって簡単に冗談言わない方が良いわよ。あたしトイレ行って来るから放して。」
あたしがそう言うと、春はすぐに放してくれた。
あたしは部屋を出て、トイレに向かった。
「冗談じゃねーんだけどな」
春がこう呟いた事にも気付かずに・・・・