倉庫からは車で行った。
あたしがちょっとビビったのは、車がメッチャ高級車だった事。
あたしが羅蝶にいた時も高級車はあったけど、今あたし達が乗ってんのはそれよりも凄い。
「ねえ、どこに食べに行くの?」
今思えばみんなで外食なんて初めてだ。
「いつもんとこ」
・・・いやね、蓮也くん達にはいつもんとこでも、あたしは行った事ないよね?
「・・・優しさの欠片もないやつめ」
「あ?」
「・・・・」
蓮也に聞こえないくらい小さな声で言ったのに、どうやら地獄耳の蓮也には聞こえたらしい。
「おい真琴、いまなんつった。もういっぺん言ってみやがれ」
「・・・・・」
「黙りかオラ」
ブラックオーラ全開の蓮也が鬼に見えるのはあたしだけだろうか・・・・。
「すいませんでした」
ここは素直に謝っとこう。
「ぷっ」
ん?
ぷっ?
あたしは横に座ってる清吾を見た。
あ、ちなみに車ん中の席順は助手席に春、後ろにあたしが蓮也と清吾の間になぜか座ってる。
運転手は誰だかなぞ。
いかにもヤのつく仕事してますって感じの人だ。