「あたしが・・・・羅蝶に入ったのは、中学1年の時。あたしが、行くとこもなく、夜の街をただ呆然とうろついてたとこを、その時の総長さんが拾ってくれたの。
その総長さんが、あたしに喧嘩やいろんな事を教えてくれた。
あたしは、とにかく自分の家柄から抜け出したかった・・・・・。
うちね・・・・・
ヤクザなんだよ。」
そう言った途端、3人はビックリした顔をした。
・・・そりゃ、ビックリもするよね。
「あたしは昔から、いろんな人にヤクザの家の子だって事だけで、みんなから偏見の目で見られ、恐がられた。
あたしはそれに耐えられなかった・・・・。
それで逃げ出したのが一つの理由。」
3人は今は普通の顔をして、黙ってあたしの話を聞いているが、3人が内心、なにを思っているかなんてわからない。
「一つの理由って事は、まだ理由があるのか?」
春があたしに聞いて来た。
・・・・なんか春、蓮也と清吾に比べると、こんな話普通だろって感じがするのは気のせいかな?