「ねえ、春?」
「ん?」
あたしの問い掛けに、春は優しく答えてくれる。
「あたしね、人を好きになるとか、そうゆう気持ちが祐司を失ってから・・・・よく分からなくなっちゃったの。」
あたしは、春だけじゃなく同じ部屋にいる蓮也と清吾にも聞こえるくらいの声で話しだした。
みんなは、あたしの方をじっと見て、静かに聞いてくれる。
「祐司は・・・あたしにとって全てだった。
祐司がいれば、何もいらないと思ってた。
・・・・だけどね、祐司を失った今、あたしは前に進まなくちゃいけないって思ってる。
いつまでも、祐司の事を引きずってらんないなって・・・・・・。
だから・・・・・・」
あたしはそこでしばらく黙った。
「今のあたしには、蓮也も春も清吾も・・・この麒琉のみんなも必要なの。
だからね、みんなと一緒にいたいから、
あたしの全てを聞いてもらいたい。」