「お、俺は千里と行きたい!」



「直人……。」



「……ダメか?千里……。」



直人はきれいな眼差しであたしを見つめる。



「……ううん…いいよ、行こ?」



「ほ、ホントに?」



「うん……。」



「あ、ありがとう……、じゃ、じゃあよろしくな…。」



直人はそう言うと恥ずかしそうに教室を出た。



するとさっきまで静まり返っていた教室が一気にざわめき始めた。



「すごいじゃん千里!」


「羨ましいよ千里!」


「あたし…直人君狙ってたけど…
諦めるね…頑張って千里!」

クラスの女子から割れんばかりの声援を受けた。