そのころ千里は、街の中をひたすら泣きながら走っていった。




「ハァハァ…隼人君…。今度はあたしが守るからね…。」



そう心の中で呟いた。



街は怪しい光が漂っている。
治安が悪いこの街は夜になると不良達がたわむれる。



「おう、そこの姉ちゃん一人?今から俺達と遊ばない?」



変な男達が千里の腕を引っ張ってくる。



「いえ、結構です!急いでるんです!」



千里は腕を払う。



「おいおい。いっぱい楽しいことしようよ?ね?」



さらに男達は千里の腕を強く引っ張る。



「ねぇ!今それどころじゃないの!
大切な人が……隼人君が…死んじゃうの!」



泣きながら訴える千里。
また腕を払うと、千里はまた夜道を走る。