「なんか…ごめんね、彩。」
春香が申し訳なさそうに言った。


「彩?どうしたの?」


あたしはどうしても理由が聞きたかった。


「なんでもないよ…。ごめん怒鳴ったりなんかして。もう遅いし帰ろっか?」

彩が無理矢理笑顔を作って言った。



彩と彩の弟には、なんか事情がありそうだ。



家について携帯を見たら春香からメールが来てた。





「もう弟の話は禁句ね。じゃぁおやすみ。」




春香は彩のことをすごく心配してた。
もちろんあたしも心配してた。

そりゃ幼なじみだから、すごくすごく心配だった。


あたしは彩にメールをした。


「いつでも相談してね?」

 
返事は、

「ありがと。大丈夫だよ。」


なんか彩らしかったけど、やっぱ彩らしくなかった。