朝、ベッドには愛くるしい莉緒がいた。 
頬をつねる。 

「……んぁ!痛っ。」
 
『あのさ、起きて直ぐに悪いんだけどさ………莉緒……話がある。』
話したら逃げそうな気がしたから、抱き締めて逃げ場をなくした。逃げてほしくないから。現実を受け止めなければいけないから。 
「うおっ!な何、急に」

『俺さ、………………親父の仕事………継がなくちゃいけないんだ。』

「…………うん。薄々気付いてたよ。だって、社長さんの息子だもんね。」
優しく微笑みながら応えてくれた。その笑顔で俺は救われた。