思わず言ってしまった一言。 
正直、今のは失言だと思う。 

ゲイが悪い訳でもないし、それも私なりにはちゃんとした恋だと思う。 

「…………もう聞こえてるわね。………私、莉緒ちゃんの事が大好きだから、漣に宣戦布告しに来たのよ!」
沙耶さんは、綺麗な顔して言った。 
どことなく、言ってる事は怖いのに顔は笑顔で、小さい子供が新しいおもちゃを貰った時のよう。

訳もわからないまま、沙耶さんの背中に覆われてしまった。

「漣、莉緒ちゃんと別れなさい。」
とたんに漣に向かって低いトーンで言う。 

今の沙耶さんは、怖い。誰も信用してないような、怖い声。