「やっぱり、私以外ありえませんわ。この教室の室長となるべく選ばれたエリートといえば!」


 コレでもかと言わんばかりに肩を落として、二年Sクラスに入ると、金髪ロン毛つり目碧眼お嬢様が、左手うちわで騒いでいた。


「あ、花子もSクラスだったんだ。」


「その名前で呼ぶのはおやめ!」


 いや、だって、花子じゃん。


 伊集院花子じゃん。


 カルラと同じく、こちらはイギリス人とのハーフだというのに、名前の中にまったく外人らしさが見えない、見た目だけなら欧米人の、カルラと真逆を行く伊集院花子じゃん。


「まったく、いくら国からの援助を受けられるため、学費免除のこの焔学園といえど、このような下種と、私が一緒にいることには、不満があると思いますの?」


「ねぇ、花子。そのキャラ疲れない?」


「だから、花子と呼ぶのはおやめ!」


 だったら、なんて呼べばいいんだよ?


「ほっとけ、祐太。疲れるだけだぞ。」


「・・・・花子は名前呼びなんや・・・花子は・・・」


「・・・・・・楓、女の嫉妬はみっともない。」


「わ、私は、そんなつもりで、言うたわけちゃうわ!」