見渡すとお気に入りのブランコを見つける。ここのブランコは学校や他の公園のようにカラフルな色でない。
長年使用され年期が入っており、本来の鉄の味が出ている。カラフルな色合いではなく、子ども受けは決してしないだろうが、このむき出しのそのままの色が好きだった。
そして、羨ましくもあった。

自分の悪いところも全てさらけ出してありのまま出せるのが…


少女はそのまま真っ直ぐ向かおうとするのだが、ふと違和感に気付き当たりを見渡す。

「何かが違う…」

遊具が変わったや誰かに見られているとかそんなことではない。

だが、何かが違うのだけはわかる。

ブランコに行くのは止め、そこから外れ、奥に進んでみることにする。確か、茂みに隠れるようにして、ベンチがあることを思い出した。

「あ…」

確かにそこにはベンチしかなかった。
だが、おまけもあった。

ベンチを隠すように横たわる物体。
いつもならないはずのものがそこにある。