「あ…指輪…?」
美佳の右手の薬指に輝くもの…
ピンクの小さな石がついていて、美佳の白い肌まで光っているように見えた…
「あっ…バレたぁ」
「もしかして…」
「…陵也から頂きましたぁ」
ほんのり頬を赤くして笑う美佳…
いつの間に…プレゼントなんてあげるようになったんだろう…
私と一緒のぶきっちょさんだったのに…
「…そっかあ」
「なんか…照れるね」
「なんで美佳が照れんの?」
「だって…南だから…」
私…だから??
「陵也のこと…知ってんの南しかいないからさぁ…」
「なによ…自慢?」
「ちがうぅ~~!」
その時…
やっとわかった気がした…
もう…
陵也は“あの時の陵也”ではなくて…
もう…
“美佳の彼氏”なんだと…
もう…
私のキモチは叶わないんだよと…
ピンクの指輪が、そう言っているように見えた…