「あっ…わりっ」

「…三村?」


教室に入ってきたのは、このクラスの三村だった…


「なにー?忘れ物?」

「あっ…そーなんだよ!タオル忘れてさ」

「三村って…テニス部だっけ?」

「お♪そうそう!よくご存知で…」


三村はこんな感じにいつも明るい…

身長も高く、サバサバした感じで、女子の間でも結構な人気…


「だって、自分で言ってたじゃん!」

「ああ…そうだったな」


………あれ?


「み…三村?」


なんで…

こっち見たまま…

動かないの?


「あの…さぁ…」


「なに?」


「いや…その…」


三村が視線を落とす…


そして…


もう一度…



ゆっくりと私に目を向けた…




「吉岡のこと…スキなんだ…」







三村は私と目をそらさず、しっかりと見つめたまま…