【Side 南】
一瞬…
目の前の水槽が見えなくなった…
すぐ前には優しい先生の笑顔…
「…え?」
「ぶっ…お前…可愛いなぁ…」
ちょ…ちょっと待って!!
い…今…私…
「…キス…したの?」
微かに唇に残る柔らかい感触…
「ん?…したよ」
そんなあっけなかった?!
陵也の時とは全然違くない?!
陵也の時は、もっとこう激し……
いやいや!!
そうじゃなくて!!
「もしかして…ファーストキス??」
「え?…いや…」
「あ…そっか、残念だな…」
先生はちょっと眉を下げて笑った…
ファーストキスじゃなかったけど…
こんなに…
嬉しいキスは“初めて”だよ…
「せ…先生」
そっと先生の腕を掴んだ…
「ん?何?」
「あ…ありがとう」
「ふっ…やけに素直だね?」
「な!!…もう、知らない!!」
「わわわっ…!!ごめんってば!!」
慌てる先生がすごく可愛く見えた…
「田崎くんのエッチ!!」
こんなぶきっちょで、素直になれない私を…
スキになってくれてありがとうね?